「退職した従業員から退職証明書を求められた。」「支払時期より前に給与を請求された。」という質問はよく受ける質問です。
今回は退職時に係る、退職証明書、給与支払や金品の返還について書いてみたいと思います。
退職証明書の交付とは、労働者が退職した時に、在職中の雇用契約内容等について証明書の交付を請求したときは、会社は遅滞なく、これを交付しなければならない制度のことをいいます。(労働基準法第22条)
ただし、労働者の請求しない事項を記入しては、いけないことになっています。
(厚生労働省のモデル退職証明書)
労働者の死亡または退職の場合に、その権利者から請求があった場合においては、7日以内に、賃金支払を行う必要があります。
*所定の支払日が到来していなくても、支払義務が生じます。
ただし、退職金は退職金制度の支払期日に支払えばよいことになっています。
また、同様に、その権利者から請求があった場合においては、7日以内に、積立金、保証金、貯蓄金その他名称にかかわらず、労働者の権利に属する金品を返還する必要があります。(労働基準法第23条)
*賃金や金品等について、その有無、額等に争いがある場合においては、異議のない部分についてのみ7日以内に支払、返還をする必要があることになります。
誤解のないように注意しましょう。
退職証明書及び賃金支払等についてのご質問はコチラ
平成20年12月12日に公布された改正労働基準法が平成22年4月1日から施行されます。
今回は、この改正労働基準法について記載したいと思います。
EX)
時間単位の付与時間・・・1時間
所定労働時間・・・7時間30分 の場合
時間付与 × 7日 = 7時間では認められません。
この場合は・・・
1時間付与 × 8日 にしないと時間単位の年次有給休暇付与を1日とみなすことが出来ないということになるのです。
*時間単位の付与であっても、実務上は1日の単位になった時点で年次有給休暇の日数を減らす訳です。
*時間単位の付与を実施には労使協定が必須です。
*付与する時間数は1日の所定労働時間未満なら任意の時間で決定出来ます。
EX)2時間 4時間 等
改正労働基準法についてのご質問はコチラ
長期療養が必要な場合、就業規則に「休職」の定めを設けていると思います。
この休職中の従業員から年次有給休暇の請求を受けた場合、従業員の請求通り年次有給休暇を与える必要があるのでしょうか?
今回は、休職と年次有給休暇の関係について書いてみたいと思います。
雇用契約上では雇用関係にある状態の身分を維持しつつ、就労の義務を免除されている期間のことを指します。
有給か無給かは就業規則の定めによるところになります。
年次有給休暇とは、労働者の疲労回復、健康の維持・増進、その他労働者の福祉向上を図ることを目的に、労働義務がある日を対象に、その労働の義務を免除する制度です。
*年次有給休暇は、権利が発生した日から2年で時効になります。
上記に記載したように、「労働義務がある日を対象に、その労働の義務を免除する制度」である年次有給休暇の制度を請求するということは、「就労の義務を免除されている期間」である休職期間の制度と理論上、矛盾することになります。
これは、行政解釈でも、以下の通達がされています。
「休職発令により従来配属されていた所属を離れ、以後は単に会社に籍があるにとどまり、会社に対して全く労働の義務を免除されることとなる場合において、休職発令された者が年次有給休暇を請求したときは、労働義務がない日について年次有給休暇を請求する余地のないことから、これらの休職者は、年次有給休暇請求権の行使ができないと解する。」
(昭31・2・13 基収第489号)
したがって、休職中も休職期間が満了し退職になって、取得出来なかった年次有給休暇が残っていたとしても、年次有給休暇は請求を受ける必要ありません。
休職期間中に年次有給休暇の権利が発生したとしても同様です。
欠勤の場合は「労働義務がある日」に該当しますので年次有給休暇を取得することは可能ですが、あらかじめ就業規則にその取扱いを定めておきましょう。
休職期間と年次有給休暇についてのご質問はコチラ
会社の職場規律を乱した場合や対外的信用失墜させた場合に懲戒処分として減給の制裁を行うことが、よくあります。
しかし、この減給の制裁は労働基準法第91条において一定の制限を受けています。
今回は、この労働基準法第91条の内容と賃金をカットしても減給の制裁にならないケースの違いについて書いてみたいと思います。
「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。」
この条文に書かれている様に減給の制裁を行う場合、は必ず就業規則で規定する必要があります。(減給に限らず、懲戒処分全体についても同じことです)
これは、就業規則に減給の制裁を規定せずに減給することは「賃金支払の5原則」の全額払いに抵触するためです。
また、この条文では1回の事案に対しては、減給の総額が平均賃金の1日分の半額以内でなければならないことを意味します。
1回の事案について,平均賃金の1日分の半額を何回にもわたって減額してもよいという意味ではないので気をつけましょう。
月額の10分の1を超えて制裁を行う場合は、10分の1を超える部分に対しては制裁を次月の賃金に繰り越して行うことや、賞与で清算することも可能です。
但し、この場合も必ず就業規則に規定する必要があります。
平均賃金の原則的な計算の方法は・・・
算定事由が発生した日以前3ヶ月間に支払われた賃金総額
平均賃金 = 算定事由が発生した日以前3ヶ月の総暦日数
減給の制裁の対象となり、労働基準法第91条の規制を受けるのは、あくまでも懲戒処分として制裁を行う場合です。
従って、当然に労務の提供が行われている上での制裁が該当するのであって、遅刻や早退あるいは欠勤 等のように労務の提供がない時間に賃金を支払わないのは減給の制裁には該当しません。
(EX)
などは、労働基準法第91条の規制は受けず、懲戒処分による減給の制裁とは考えないのが一般的です。
慎重に検討して就業規則に規定しましょう。
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労働者を解雇する場合は解雇予告を行う必要があります。 *「解雇予告について」
しかし、解雇予告を行わなくても良い場合もあります。
それは、労働基準監督署に解雇予告除外認定を申請し認定された場合です。
しかし、何でも申請できる訳ではなく、一定の条件の基づいて申請する事ができるのです。(労働基準法第20条第3項)これは労働基準法第19条2項を準用する規定です。
今回は、この解雇予告除外認定について書いてみたいと思います。
解雇予告除外認定を申請できる対象事由は大きく分けると次の1〜2の場合です。
*いずれの場合も所轄労働基準監督署長に解雇予告除外認定を先に受けなければいけません。(ただし、認定されれば、その解雇の効力は即時解雇の意思表示をした日に生じます)
(昭23.11.11基発第1637号)
*上記5においては督促に関する記録を(原則として2回以上必要です)、6においては指導記録(原則として2回以上必要です)を残しておくことも重要です。
解雇予告除外認定の認定を受けずに解雇すると 6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則が定められています。
注意して下さい。
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賃金の計算に生じた端数(時間及び金額)の処理の方法には原則があります。
*関連法規 労働基準法第24条 37条
実務上は行政解釈を根拠とした処理が必要になります。
今回は、この行政解釈について書いてみたいと思います。
労働基準法第37条において「割増賃金」が定められていますが、次に記載する1〜3の事例に関しては次の行政解釈の通り処理することが、認められています。
あくまで、上記1〜3に限定された端数処理が可能なのです。
労働基準法第24条において「賃金支払の5原則」が定められていますが、次の1〜2の事例に関しては次の行政解釈の通り処理することが、認められています。
*但し、この「1ヶ月の賃金総額の端数処理に関する行政解釈」を実行するためには、必ず就業規則に明記しなければなりません。
上記の1〜3か1〜2に該当しなき限り、賃金カットになるのが原則です。(基準法違反)
気をつけて下さい。
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時間管理の必要がなければ、労務管理上、非常に楽になることは当然のことです。
これが、可能な制度が裁量労働時間制です。(残業は原則発生しません)
しかし、この裁量労働時間制は業種の指定や労使協定 等の規制があるのです。
全業種が採用できるものではないのです。
裁量労働時間制は業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務に適用されます。
この裁量労働時間制には、専門業務型と企画業務型とがあり,適用業務の範囲は指定業種に定めた業務に限定されてます。
今回は、裁量労働時間制について書いてみたいと思います。
1.対象労働者
①新商品、新技術の研究開発の業務
②情報システムの分析、設計の業務
③取材、編集の業務
④デザイナーの業務
⑤プロデューサー、ディレクターの業務
⑥コピーライターの業務
⑦システムコンサルタントの業務
⑧インテリアコーディネーターの業務
⑨ゲーム用ソフトウェアの創作の業務
⑩証券アナリストの業務
⑪金融工学などを用いて行う金融商品開発業務
⑫大学での教授研究の業務
⑬弁護士、公認会計士、弁理士 等の業務
2.導入条件
次の①〜⑤の全てを労使協定に定めて所轄労働基準監督署に届出することが必要です。
①対象業務
②業務の遂行手段、時間配分の決定等に関し具体的な指示をしないこと
③労働時間の算定については労使協定によること
④みなし時間
⑤有効期間
1.対象労働者
事業運営に関する企画、立案、調査及び分析の業務についていて、業務の性質上、これを適切に遂行するには、その遂行方法を労働者の裁量にゆだねる必要があり、業務遂行手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務に就いる知識、経験を有する労働者。(労働者の同意が必要です)
2.導入条件
①労使委員会の設置
次の(1)〜(4)の全ての条件を満たす労使委員会の設置が必要です。
(1)委員の半数が、過半数労働組合(これがない場合は過半数代表者)に任期を定めて指名されていること。
(2)議事録の作成及び保存をすること。
(3)議事録を労働者に周知していること。
(4)その他の命令で定める事項。
②労使委員会で、次の(1)〜(7)の全ての事項を委員の5分の4以上の多数決により決議し、所轄の労働基準監督署長に届け出ることが必要です。
(1)対象業務 (2)対象者 (3)みなし時間 (4)健康、福祉を確保する措置
(5)苦情処理に関する措置
(6)本人の同意の取得及び不同意者の不利益取扱いの禁止に関する措置
(7)その他命令で定める事項
*裁量労働時間制を導入すれば、対象労働者の労働時間管理をする必要がなく、残業という概念はなくなりますが、働く時間については労働者の自由裁量に委ねる必要があるので、ルール作りはかかせません。
また、深夜時間と法定休日については、通常通り適用されるので注意が必要です。
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懲戒や解雇についてのトラブルは多いですし、相談もよく受ける案件です。
解雇とは、その会社と労働者の労働契約を会社都合で解約する事の総称です。
ただし、そこには整理解雇の4要件と呼ばれる基本条件と運用ルールの制定、周知(就業規則による)が必要になります。
今回は、解雇の種類と要件について書いてみたいと思います。
解雇の種類は大きく分けて次の3つがあります。
諭旨解雇とは懲戒解雇の一部になるのですが、情状酌量し、懲戒解雇処分を軽減した上で解雇する制度の事です。(これを退職願を提出させた上で自己都合退職にする事が諭旨退職です)
整理解雇の4要件とは次の1〜4の要件の事で全てを満たす必要があります。
解雇をめぐるトラブルは本当に多いです。
就業規則をもう一度、点検してみて下さい。
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休憩については労働基準法第34条、休日についてはは労働基準法第35条に、それぞれの定めがあります。
基本的な事なのですが、誤解も結構多く、トラブルになっているケースも、しばしば見られます。
そこで、今回は休憩と休日の法律(労働基準法第34条、第35条)について書いてみたいと思います。
労働基準法第34条に定められている内容は・・・
を与えなくてはならないと定められています。
*労働時間が6時間ピッタリの場合は休憩を与える必要は法律上ありませんし、8時間ピッタリの場合は45分の休憩を与えれば良いという事になります。
又、8時間を超えた場合、それが何時間であっても法律上、休憩は原則60分で良いという事になります。(過労による労災の危険性が高まるので、適時休憩を与えるほうが望ましいですが・・・)
また、休憩には次の①②の定めも有ります。
①使用者は休憩時間を一斉に与えなければいけません。
但し、運輸交通業、商業、金融広告業、映画演劇業、通信業、保健衛生業、接客娯楽業、官公署の8業種と、事業場の業務の実態から見て、休憩を一斉に付与することが業務の円滑な運営に支障があると客観的に判断されるような場合は労使協定を締結した事業所は除きます。
②使用者は休憩時間を自由に利用させなければなりません。
労働基準法第35条に定められている内容は・・・
1.2いずれかの措置をとる事が定められています。
*上記1.2の休日の事を法定休日と言います。
この法定休日は日曜や祝日を意味するのではなく、あくまでも会社が指定した上記1.2の休日の事を指します。
(EX)
完全週休2日制をとっている場合、会社が水曜日を法定休日にしている場合、シフト上の他の1日の休日が日曜日の場合は・・・
法定休日 → 水曜日
法定外休日 → 日曜日
また、4週を通じて4日の休日を与える場合(4週間の起算日を就業規則 等に記載する必要があります)、特定の週に4日の休日を全て与えて、他の3週に休日がなくても法律上は問題ありません。(現実的ではないですが)
休日は休憩と違い一斉に与える必要はありません。
特に法定休日の意味を間違って解釈している場合が多いので気をつけましょう。
休憩と休日の法律に関するご質問はコチラ
以前、「労務の法定帳簿」について記載したのですが、法定帳簿の具体的記載事項について、よく質問を受けます。
そこで、今回は労働者名簿と賃金台帳に記載されるべき事項を書いてみたいと思います。
*この事項に変更があった場合、すみやかに記載しなければなりません。
*雇用契約書の記載事項は「雇用契約書」を参照して下さい。
すべて、満たしていますか ?
もし、抜けている項目があるなら追記しておきましょう。
就業規則や労働契約書などに、よく出てくる休日や休暇という言葉があります。
どちらも出勤しないと言う意味のおいては同じなのですが、この2つの言葉は労働法上、大きな違いがあるのです。
今回は、この休日と休暇の違いについて説明してみたいと思います。
(関連ページ)
「就業規則の絶対記載条項」「年次有給休暇」「雇用契約書」「振替休日と代休」「割増賃金」
休日・・・労働契約上、もともと労働の義務のない日
休暇・・・労働義務がある日を一定の根拠理由に基づき一定の手続を経て、その労働義務を免除される事になる日
結果として労働義務がなくなるのは同じなのですが、年間の所定労働時間の計算に違いがでてきます。
もともと労働義務のない休日を増やせば、残業や休日の割増賃金の単価が上がることを意味します。(例えば、月給が同じ30万円の従業員でもAさんは年間休日が120日、Bさんは年間休日100日の場合、割増賃金はAさんの方が高いということになります)
(EX)
Aさん 月給30万円 労働時間 8時間 年間休日120日 の残業の割増賃金
300,000 ÷ {(365−120) ÷ 12(月数)} ÷ 8 × 1.25 ≒ 2298円/時間
Bさん 月給30万円 労働時間 8時間 年間休日100日 の残業の割増賃金
300,000 ÷ {(365−100) ÷ 12(月数)} ÷ 8 × 1.25 ≒ 2121円/時間
*これは、30万円すべてが割増賃金の計算の根拠になると設定した場合です。
これに対し休暇は、その日数を増やしても割増賃金の単価は上がりません。
これは、もともと労働義務があるのを一定の手続によって免除しているからです。
また、年次有給休暇以外の休暇(育児、介護、慶弔 等)の有給、無給は、会社が自由に決めることができます。
ただし、その反面、休暇の日数が増えても、年間所定労働時間は減らすことができないという側面もあります。(休日の増加は年間所定労働時間の減少になります)
就業規則などの制定や改正の際は、その文言の意味に気をつけて行いましょう。
休日と休暇の違いについてのご質問はコチラ
お客様から、よく質問を受ける事の1つに遅刻と残業の関係があります。
今回はこの2点に限定して書いてみたいと思います。
遅刻とは始業時間(定時)に業務に就けていない状態を指します。
ここで問題になるのが、就業規則の服務規定や労働時間に関する項目に上記のように「出勤は始業時間(定時)の10分前までする事」などの項目が入っていた場合、その有効性はと言うと・・・
労働基準法上の労働時間とは使用者の指揮命令の元に労働力を提供している時間という事になります。
従って、業務性の高い会議が始業時間(定時)前に行われる場合に、その会議に遅刻した場合は遅刻として賃金のカットや懲戒(この場合は、あっても譴責程度でしょうが)の対象となり得ますが、そのような場合以外で単に10分前に出社しなかっただけで始業時間(定時)には間に合っている場合、ペナルティーを与えるのは難しいと考えます。
(EX)
ただ、強制力の如何に関わらず、会社の意思として出社時間の基本を服務規定などに定めるのは重要な事です。
労働時間についての基本的な考え方は実労働時間主義です。
したがって、労働時間は実労働時間が1日8時間を超えないかぎり(変形労働時間制は平均して1週40時間)残業とは解釈しません。
(EX2)
定時 9時〜18時 (休憩1時間、完全週休2日、変形労働時間制採用なし)
出社時間 10時
退社時間 19時 で休憩1時間の場合
会社の終業時間(定時)は18時なのですが、上記の場合は遅刻した事により終業が1時間遅れていますが、割増賃金を支払う必要はありません。
*但し、就業規則や賃金規程の定めに「18時を超えて働いた場合は割増賃金を支払う」等の旨を定めていれば、支払義務が発生する事になります。
これは、実労働時間制ではなく定時制で就業規則や賃金規程を定めているからです。
就業規則、賃金規程は必ず実労働時間制の要素と、労働時間の繰越について定めましょう。
*当然の事ながら上記の(EX2)のような労働時間の繰越は、その該当日のみに有効であり、その他の日までに波及して影響させる事はできません。
(EX3)
上記の(EX2)の会社の従業員Aが・・・
11月5日 出社 10時 退社 18時 (休憩時間 1時間) → 1時間の遅刻
11月6日 出社 9時 退社 19時 (休憩時間 1時間) → 1時間の残業
この2日を相殺して平均8時間勤務とみなす事はできません。
11月5日は1時間分の賃金カット、11月6日は1時間の割増賃金が実労働時間の考え方の基本になります。
会社の考えを徹底して周知するように努めましょう。
36協定とは時間外労働、休日労働についての労使協定の事です。
所謂、1日8時間労働、週40時間労働を超えて労働させる場合、あるいは法定休日に労働させる場合には必ず締結する必要のある労使協定です。
労働基準法の第36条に規定されている為に、通称36協定と呼ばれるのです。
この36協定を締結して、所轄労働基準監督署に届出する事によって、はじめて残業や休日労働を命じる事が出来るのです。
「割増賃金」を支払っているいない以前の問題なのです。
又、労働基準監督署の調査等で必ず検閲を求められる書類の1つです。
今回は、この36協定の内容について書いてみたいと思います。
36協定の締結相手は・・・
*但し、上記2の労働者の代表には管理監督者はなる事はできません。
次の事を定めます。
①時間外又は休日の労働をさせる必要のある具体的事由
②業務の種類、労働者の数
③一日及び一日を超える一定の期間についての延長することができる時間
④労働させることができる休日
⑤協定の起算日
⑥有効期間
⑦労働者代表の選考方法、及び記名
1週間 → 15時間 (14時間)
2週間 → 27時間 (25時間)
4週間 → 43時間 (40時間)
1ヶ月間 → 45時間 (42時間)
2ヶ月間 → 81時間 (75時間)
3ヶ月間 → 120時間(140時間)
1年間 → 360時間(320時間)
*( )内は1年単位の変形労働時間制
但し、坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の延長は、一日について二時間を超えてはなりません。
必ず36協定は提出しましょう。
解雇について相談を受ける事が度々あります。
解雇については労働基準法で詳細に制限されていますが、それとは別に民法上での制約もあります。(解雇が妥当かどうかを判定するのは裁判所になります)
今回は労働基準法の解雇予告や解雇制限について書いてみたいと思います。
解雇予告については労働基準法第20条で原則として解雇の30日前までに予告するか予告しない場合は30日分の平均賃金を支払う(解雇予告手当)事が義務付けられています。
(EX)
平成19年7月31日を以って解雇する場合
平成19年7月1日に解雇を予告・・・解雇予告手当不要
平成19年7月10日に解雇を予告・・・9日分の解雇予告手当が必要(21日前予告の為)
平成19年7月31日に解雇を予告・・・30日分の解雇予告手当が必要(即時解雇の為)
*平均賃金の計算方法とは・・・
算定すべき事由の発生した日以前の3ヶ月の賃金総額
上記3ヶ月の総暦日数
賃金締切日があれば、直前の締切日から計算します。
*ただし、いずれの場合も所轄労働基準監督署長に解雇予告除外認定を先に受けなければいけません。
上記1〜4でも下記に該当すると解雇予告が必要になります。
次の期間は解雇できません。
*上記1はあくまで業務災害で通勤災害は含みません。
*上記1は打ち切り補償(労働基準法第81条)を支払い、所轄労働基準監督署長の認定を受けた場合は解雇できます。
これは労働基準法第19条の話であり、これ以外にも・・・
などの制限を受ける事になります。
解雇は労働者の生活権をおびやかす、との解釈から労働基準法や民法、その他諸法令で制約を受ける事になります。
解雇なんて無い方がいいのは、当り前ですが、やむを得ず行う場合は正しい手順で行わないと、後の処理が大変な事になる場合が考えられますので、気をつけて下さい。
最近、問い合わせで、賃金支払関係のトラブルが結構多く寄せられています。
そこで、今回は労働基準法第24条の賃金支払の5原則について記載してみたいと思います。
賃金支払には次の1〜5の原則があり、これに従って支払を行う必要があります。
例え年俸制の給与形態を採用していたとしても、上記の5原則は同様に義務付けられています。
「生活の基本原資である」というのが、その制定根拠になるのです。
所員ともども、お付き合いさせていただける日をお待ち申し上げております。
1966年3月16日
親切・丁寧な対応をモットーとしておりますのでお気軽にご相談ください。
1966年に神戸市魚崎に生まれる。
高校までを兵庫県西宮市で過ごし、大学時代の4年間を京都で過ごす。(京都産業大学経営学部)
人材派遣会社の管理社員を経て、1995年に川添社会保険労務士事務所を設立。
「サービスで満足して頂ける社労士事務所になる」「お客様と共に成長する」「お客様の目線で法律を考える」を基本理念として活動させて頂いています。
川添社会保険労務士事務所
0797-72-5931
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E-mail:info@sr-kawasoe.jp
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宝塚、西宮、尼崎 他)
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